2013年6月11日火曜日

弟とグローバル企業について考えてみた。

昨日まで、家内の弟が韓国から来ていました。
5年前の大学生のとき、日本語を学びに6か月ほど我が家にいたことがあります。

当時とくらべると、すっかりと大人になった感じがしました。
大学院を卒業し、その間軍隊にも行って、
そして、今はサムソンの研究員として活躍しています。

とても頭がいいのですが、それでいて優しく、素直で、人当りの良いバランスがとれた青年です。
最終日は、二人で酒を飲みすぎて、フラフラになって空港へ向かいましたが、
そんなところも、かわいさがあって良いです。

サムソンの職場は大変だそうです。
入社して、5年以内に10人中8人は脱落するくらい、競争が激しいとのこと。
そういった競争で生き残ったのが、部長クラスになっていくので、その部下もやはり大変でしょう。

社是は、「危機感を持て」だそうで、自分達がNO1と思った瞬間に衰退していくんだということをたたき込まれるそうです。

サムソンと言えば、当然ながら韓国ではNo1企業です。
もちろん韓国にとっても、世界に誇れる企業ですから、
サムソンと言えば、韓国人の誇りでもあるわけです。

それはその通りなのですが、彼と酒を飲みながら話していたのは、
サムソンは韓国企業というよりは、グローバル企業であるという点です。

グローバル企業というのは、ある意味、一つの国に属さない、または属さなくても良い企業です。
条件さえあえば、サムソンも韓国にいる必要さえなく、競争に勝つためであれば、海外に生産拠点のみならず、本社機能も移転することもできます。

つまり、サムソンが韓国で法人税をはらったり、韓国民の雇用を創造したりしているのは、
韓国にとって保障されているものではないのです。法人税をあげたり、労働者賃金があがれば、
その結果はすぐに経営者や株主に判断をさせる材料になるでしょう。

日本にも、グローバル企業は沢山あります。
前回の震災の後、原発を再開しないと、日本を出ていくと言い放った経営者も多かったと記憶しています。

また、会社だけでなくグローバル企業でエリートといわれる人も国に帰属することも必要ではなくなります。いえ、場合によっては会社にだって帰属意識はありません。条件がよければ、世界中どこの企業へだって転籍して、競争を続けます。その人脈というか、とてもクローズドな人脈がグローバル化の核に見えます。

一番わかりやすいのは、金融業です。
金融のエリート達は、すでに国や企業という帰属意識がないのかもしれません。

その国にとって、本当に必要な企業というのは、
その国で税金を払ってくれて、雇用機会をつくり、
国民と国を豊かにしてくれる企業です。

本来は、公務員こそが真のエリートでなくてはならないのでそう。
民間企業は、その仕組み上どうしても株主を優先させるのが義務です。
効率的でなかれば、顧客のニーズも無視します。

これからの国と企業のありかた、
人材育成の目指すものの再定義の必要を感じます。

グローバル化の落とし穴をよく理解しないといかんようです。

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