昨日は、イルームの盲導犬センターへの入学式でした。
2011年7月1日から、家族の一員として約11か月、中心的存在でした。
まずは、家族全員からイルームに、ありがとう。
そして、無事にトレーニングに参加できることに、おめでとうと伝えます。
入所式には、イルームの兄弟とそのご家族8組が参加しました。
1年間を振り返って、それぞれの家族から一言を送りました。
うちをはじめ、どのご家族もお父さんは挨拶せずに、お母さんや娘さんがその役を務めました。
これ本当にわかります。
男は、泣くわけにいかないのです。
でも、一言でも発したら、きっと持ちこたえることができなかったでしょう。
他所のご家族の涙ながらのご挨拶を聞いているだけでも、
こみ上げてきてしまい、ずっと「カンナムスタイル」を心の中で繰り返し、
誤魔化していました。不謹慎でも、それしか方法がなかった。
うちは、娘がその役をやってくれました。
ありがとう。
イルームは、トレーナーの方と尻尾を振りながら元気に犬舎に向かいました。
明るく旅立つ姿は、本当に救いでした。
でも、のこされたカラーとリードを手にすると、やはり何度も寂しさが込み上げてきました。
カラーとリードを、いつも散歩のときに使っていたウェストバックに詰めると、
今度は、ポッカリと心に穴が開いてしまったようで、
「これから何したらいいのか」という感覚でした。
最後に、パピーウォーカーをされたご家族の皆様と、懇親会をしたのですが、
本当に頭の中が真っ白で、何を話したらいいのかわからなかった。
家に帰ると、やはり子供たちは、ポツポツと寂しさを言葉にします。
「言ってもしょうがない」と言わずに、その寂しさを無言でも共有することにしました。
家族で、イルームに精一杯の愛情を注ぐことも共有し、そして今の寂しさも共有しています。
本当に、家族はいいなと思います。同じ感情を共有できます。
イルームの入所日が決まってから、このブログは更新しませんでした。
なんか、言葉にできなかったのです。
その代り、残された時間いっぱいにイルームに愛情を注ぎました。
散歩もたくさんしたし、沢山撫でたし、ブラッシングもしたし、遊んだし、隣で毎晩寝たし。。
入所の3日くらい前からは、散歩中に何度も涙がでました。
その度に、イルームを抱きしめて、「ありがとう」と伝えました。
家族に、「イルームとの時間で、悔いは残ってないか?」と聞くと、
全員、「悔いがない」と言います。
これは、時間限定であったからでしょう。
悔いが残らないくらい、愛情を注いだからこそ、
今の寂しさも共有できるのだと思います。
イルームには、まだ「繁殖権候補」という可能性が残っています。
「繁殖犬になって、戻ってきてほしい」と子供たちは繰り替えします。
そうでしょう。正直な気持ちです。
でも、「パパは?」と聞かれると、
「そのことは考えてない」と伝えてます。
それは、もう私たち家族の判断ではないし、そう思ったところで、どうこうできるものでもないからです。
大切なのは、私たちがイルームと与えられた時間を、
悔いが残らないくらい、精一杯の愛情を注ぐことができたということです。
パピーウォーカーのボランティアをさせていただいて、
一番大切な子供たちへの教育はこれだったのです。
自分達が与えられた時間と機会の中で、精一杯の努力をする。
その結果は、自分達の手を離れたところにあれば、
もう、そのことについては、あれこれ考えたり、神頼み(笑)をしたりしない。
精一杯の努力の後は、お任せです。
本当にすばらしい11か月間でした。
イルーム、ありがとう。
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